「エビは酸欠に弱いからエアレーションが必要」って良く目にするけど本当か?第4弾です。
これまでの記事をご覧頂いていない方は、まずそちらからどうぞ。
第1弾
第2弾
第3弾
今回のシリーズは、実験や調査の結果から導き出した答えではなく、あくまでも私見という事で押さえてください。
前回の記事では、エアレーションの泡から酸素が取り込まれているという誤解についてでした。
では、エアレーションによって酸素が取り込まれる事は無いのか?って事ですけど、答えはいいえです。
水槽内に酸素を取り込む為に必要な事が2つあります。
それは、水面の揺らぎと水の対流です。
エアレーションによってこの2つの現象は起きるので、酸素を取り込むシステムは備わっています。
じゃあ、エアレーションをしていれば酸素が増えるんだね!‥って、実はそうでもないんです。
自分で計測した訳ではないので自信満々には言えませんが、何かしらの濾過装置がついていれば、エアレーションをしてもしなくても溶存酸素の量は変わらないという実験データをいくつか見た事があります。
酸素を取り込むシステムがあるのに酸素が増えないってどういうこと?って思いますよね。
なぜかというと、酸素が水に溶け込める量は決まっているのです。エアレーションをしたら、それ以上になるってわけではないのです。そして、エアレーション以外にも酸素を取り込む方法はたくさんあります。
次のような話を目にした事はありませんか?
「水草の多い水槽は、夜間のエアレーションが必要だ!」
そう言われている理由が、
・夜間は水草も呼吸をするから酸素が足りなくなるのでエアレーションで酸素を補給する。
・二酸化炭素が増えるのでエアレーションで排出する。
日中は水草の光合成に必要な二酸化炭素が逃げないようにエアレーションを止め、上の理由で夜間にエアレーションをする‥正しい部分もありますが、この理論におなしな点があると思いませんか?
酸素が入ってくるのなら、二酸化炭素も入ってくるのではないですか?
二酸化炭素が出て行くなら、酸素も出て行くのではないですか?
気体が水に溶け込める量は決まっています。そして、その量を保つように出たり入ったりします。溶け込める量よりも少なければ入ってくるし、多ければ出て行くのです。逆に、少ないのに出て行く、多いのに入ってくるという事はありません。
ただ、エビ、魚、水草などの活動によって水槽内でゆっくり増えた酸素や二酸化炭素は、溶け込める量を超えていてもすぐには出ていきません。そして、溶け込める量よりも少なくなったとしても、すぐには取り込みません。
水面と空気が触れ合っている面で気体は出入りしますが、境目での出入りは刺激がないと簡単には行われません。また、水中での気体分子の移動は非常にゆっくりです。気泡が出来るぐらい集まれば、移動は早いですけどね。
水の対流が気体を運び、水面の揺らぎが刺激となって気体が出入りしやすくなるのです。
つまり、水が対流し、水面が揺らいでいる水槽内では酸素も二酸化炭素もだいたい同じくらいの量を保とうとしているのです。
このお話は第5弾でもう少し説明するとして、エアレーションの話に戻ります。
エアレーションは水を対流させ、水面を揺らします。そして、ブクブクと泡を出し水中をかき混ぜます。実はこのブクブクに意外な効果があると思うのです。
やっと、今日書きたかった事に辿り着きました 笑
この水中をかき混ぜるブクブクは、水中に多すぎるものを外に出すはたらきを加速させます。炭酸水をかき混ぜたらシュワーって出てくるあれと一緒です。
炭酸水の泡は液体の中から沸いて出てきますよね。あれは液体の中に散らばっていた分子が集まって気泡となったものです。かき混ぜた刺激によって分子が集まり易くなり、どんどん沸いてくるんです。
二酸化炭素だけでなく、酸素や他の物質も同じ事が言えます。
つまり、エアレーションのブクブクには、水槽内に増えすぎた余計なものを外に出してくれるはたらきがあるのです。水を綺麗にしてくるってわけですね。
「エアレーションを導入したら生体の活性が良くなった。」‥のは、そのためだと思います。エビや水草だけでなくバクテリアにとっても、良さそうですね。
まぁ、わたくしエアレーションしてませんけど 笑
また、今日も長くなってしまいました。次回はこのシリーズ最終回?水面の揺らぎと水の対流の件をもう少し書きたいと思います。
意味はないですが、モスをツマツマしているJr.ちゃん。
では、今日はこの辺で
この記事の続きはこちら。